いこうかい since1998(広島市)

いこうかいは広島市で活動する精神障害者を対象としたワークサポートグループです。

第276回の報告


第276回の報告(参加者12名)

 事の始まりは、ある人が「ちに点々」の問題で他科受診をしたこと。その他科Dr.が受診した疾患そっちのけで、「大量に安定剤が出ているのは何でかね?精神科の薬が多すぎる」と言ったこと。そう言われてその人は落ち込んだ。他科Dr.は精神科の薬は全部安定剤だと思い違いをしているようで、理解してくれないと思ったから。

 

 その人の薬は何年も変わっていない。主治医は薬を減らす気はないようだ。「近頃の若い医者は少量処方が流行りのようだけどね…」と言われたことがある。その人自身も薬に依存していると自覚している。薬だけじゃない。ものや人や食にも。最近、依存している人の一人から少し距離を置かれている。これからどうしていけばいいのだろう?依存できる場所をもっと増やしていく?それとも、依存を少しずつ切っていく?

 

 別の人は、買い物依存がある。生活用品を買っただけでも満足する。ちょっと安く買えたとか、ポイントをゲットしたとか。リスク管理が大事。やりすぎもダメだし、我慢しすぎてもバーンと爆発する。結局ほどほどがいい。いい塩梅に収める。まぁそこまで器用だといいけどね。。。

 

 さてさて、ここで登場するのが「依存と不安と孤立」のいこうかい的考察。長年この業界を生き延びてきた当日司会者の経験知によると、おおまかに薬が好きなグループと薬が嫌いなグループに分けられるという。

 

 薬が好きなグループは、依存系。不安で押しつぶされそうな時、薬をのむことによってビビッドに効いてくる。

 

 薬が嫌いなグループは、孤立系。薬をのんでも効かない、あるいは効果を感じられない。だから拒薬を繰り返す。

 

 不安があるから依存して安心する。でも、不安の怖いところは、なんぼ埋めてあげても、すぐ不安になること。不安の正体は、人間の存在としての不安だと思う。足元がないような、根本的な不安が先にあって、だから何かにすがってしまう。

 

 宗教。そう、かつては不安を処理するのに宗教が活躍していた時代もあったね。でも、今はどうだろう?

 

 この日、いこうかいに集った人たち、7:3くらいで依存系の人のほうが多かった。

 (なんかね、この文章を書いてたら、エレカシの古い曲「生存者は今日も笑う」が流れてきたよ(^^♪)

 

 今年最後のいこうかいも無事終了。みなさま、よいお年をお迎えください。

 

 来年がコロナも収まり平穏な年になりますように!